北欧のクリスマス - 窓辺には星、 別れた家族も大集合する穏やかな夜

イルミネーションが街角に輝き始める季節。クリスマスの過ごし方は国によって様々ですが、最近ライフスタイルが再注目されている北欧ではどうでしょう。スウェーデンでインテリアデザイナー/フォトグラファーとして活躍中のパートナーを持つコンシェルジュ・机玲子が、当地のクリスマス事情をご紹介します。



私が北欧の一つであるスウェーデンを知ったのは、現地に約25年暮らす夫(日本人)との出会いがきっかけでした。それまで、留学や仕事で欧州とのご縁はありましたが、北欧には一度も足を踏み入れたことがなく、実際に訪れてみると、西欧や東欧とまた違った独特の文化や社会に、いまだに驚くことも多いです。

スウェーデンのクリスマスシーズンには数度訪れましたが、体験して一番驚いたのは日照時間の短さと暗さ。そして、それだけに際立つ、家族や友人たちとゆったりと暖炉やキャンドルの火を灯して過ごす、時間の穏やかさやあたたかさ、だと思います。

スウェーデンのクリスマス:一般的な習慣

・ユールファーナ(クリスマスの星)という星のオーナメントを窓辺に飾ります。15時過ぎにはもう暗くなってしまい、家々の窓辺に星が灯るのがクリスマスの風景です。(スウェーデンにはあまりカーテンをする習慣がなく、部屋の中は丸見えです。)

・11月最終週から週に1本ずつキャンドルを灯し、24日に4つ全部に火を灯してクリスマスを祝います。他のヨーロッパの国にも、このような習慣はあると思いますが、クリスマスを待ちわびる日々(advent)を楽しみます。

・ 12月24日は、家族でクリスマス料理を囲んでお祝いをします。日本のお正月のような感じです。そして、なぜか1950年代から続く毎年同じTV番組(ドナルドダックのアニメ番組)を見て過ごす。これもクリスマスにはマストな習慣のようです。

・クリスマスの食事の定番は、豚のハム、“ヤンソン氏の誘惑”という名のスウェーデンのアンチョビを使ったグラタン、酢漬けニシン、クリスマスポリッジ(甘いお粥)などを皆が自由に取り分けるビュッフェ形式で楽しみます。また、このシーズンには、フィーカと呼ばれるお茶の時間に、ジンジャークッキーやクリスマス時期のみに出されるホットワインなどと一緒に楽しみます。

スウェーデンでは、お酒は国営の酒店のみでしか買えず、営業時間も限られているため、クリスマスなどのイベントの前には大量にお酒を買い占めている人々をよく見かけます。

・ 12月25日の朝には教会へ。その後はフィーカを何度もしたりして、ゆっくり過ごします。


 いろいろな家族が集まるクリスマス:そこにみる価値観

そんなスウェーデンのクリスマス、年中行事や記念日などに家族が集まる点では世界共通ですが、ただ、一般的な日本のスタイルと違うのは、「いろいろな形の家族が一堂に集まる」という習慣です。もちろん人にもよりますが、下記のようなケースはよくある光景です。
・ 自分と今の家族+前の旦那さん+前の旦那さんとの子ども+前の旦那さんの両親
・ 今の奥さん+前の奥さんの新しいパートナー+新しいパートナーの子どもたち 等々。

少々躊躇しそうな関係性もありますが、スウェーデンでは日本に比べ、パートナーシップや家族に対する価値観が多様性に富み、自由で柔軟なことを感じます。

特に子どもがいる場合、事情により別れてしまったカップルの子どもたちは、2週間ごとに両親の間を行き来し、イベントがあると、みんな一緒に集まり過ごします。両カップルの新しいパートナー同士も知り合い、そして、全員で子どもを育てるのが当たり前という感覚です。(もちろん例外もありますが)

私たちの友人たちにもそのようなカップルはいますが、本人たちも周囲もそれを受け入れ、ネガティブに捉えられている様子もありません。

様々な考え方はあるかと思いますが、私には、過去があるからこそ今があるということを認め、そして、互いに個人の考えや多様な生き方を尊重しているというスウェーデン社会の一つの現れなのかな、と感じます。 


年の瀬に向かってますますお忙しくなるかと思いますが、忙しいからこそ後回しにしまいそうなことはコンシェルジュにぜひご相談を。お待ちしております。